共用部における私物放置のリスクについて
今回は、”共用部分における私物放置のリスク”をテーマにご紹介いたします。
マンションの共用部分は、「法定共用部分」と「規約共用部分」に分けられます。
「法定共用部分」は、区分所有法によって定められた建物部分をいいます。
エントランス・エレベーター・階段や廊下などが該当します。
一方の「規約共用部分」は、マンションの管理規約によって共用部分と定められた建物部分をいいます。
集会室・管理人室・駐車場などが該当します。
更に「専用使用部分」といい、共用部分に該当する場所もあります。
バルコニーや専用庭・ポーチなどがそれにあたり、
共用部分でありながら、特定の利用者が使用を認められる場所です。
共用廊下やバルコニーに私物が置かれている事がありますが、
どんなものが置かれているか代表例をピックアップしてみました。
<例>
・自転車 ・お子様の遊具 ・傘立て、傘
・ベビーカー ・段ボール、ゴミ ・植木などのプランター
いずれも室内に置くと邪魔になったり、汚れてしまうようなものもあります。
とはいえ、入居者皆様が利用する場所にこれらのものを放置しておくとどんな事が起こりうるでしょうか?
①災害時の避難障害
共用廊下はもちろん、バルコニーは緊急時の避難経路になります。
避難ハッチの上や降下場所・隔壁板などに荷物が置いてあると避難する際の障害になりうるため、
スムーズに避難することが困難になってしまいます。
消防法や火災予防条例にも抵触する恐れがありますので、消防設備点検時や消防査察などの際に改善を求められる事もあります。
②防犯面での危険性
共用廊下には、自転車やベビーカー・傘立て・お子様の遊具など様々な私物が散見されます。
例えば、不審者がマンション内に侵入してしまった場合、盗難や放火などの危険性が想定されます。
特に放火は、マンション全体にかかわる大きな問題に繋がりかねません。
当社では、消防点検時や巡回点検時に指摘として上がった住戸に対して、
荷物の移動の声掛けや注意文の投函対応を行っております。
これにより、入居者様へリスクを認識してもらうとともにトラブルの未然防止対策を行っております。
【最後に】
共用部分は、入居者皆様が利用する場所であり、目につきやすい場所です。
「少しだけ」という気持ちでも困っている方がいるかもしれません。
また、景観・防災の観点からみても共用部分に私物を置くというのは、よいことではありません。
入居者皆様の「安全」・「住みやすい住環境」を守る上でも皆様にご協力いただき、
快適な住環境作りをご提供できればと思います。
当社では、専門知識を持ったプロによる建物の定期的な巡回を当社基準に沿って行い、適切な方法を提案させていただいております。共用部分に不適切な放置物のない状態を目指し、安全で快適な暮らしの提供に努めてまいります。
更新日:2021年1月22日