ドローンによる外壁調査|無人航空機(ドローン)による外壁調査のご紹介
1.外壁がタイル張り仕上げである場合の定期的点検の必要性について
タイル張り仕上げの外壁は建物のグレード感を上げて耐久性も高いことから、特にマンションでの採用が多い傾向にあります。しかしながら、一方でタイル張りには剥落のリスクがあることも理解しておかなければなりません。万が一、タイルが落下した場合には、人や物に危害や損害を与える恐れがあるため、「特定建築物定期調査」による定期的な調査または維持保全工事が不可欠となります。
「特定建築物定期調査」については過去にも本ウェブサイト「『三井の賃貸』プロの現場。」で記事にしております。
※過去の掲載記事 参照:『三井の賃貸』プロの現場。
【特定建築物定期調査 建物の安全・不具合の事前把握】
https://31.mitsui-chintai.co.jp/professional/management/detail/id=SurveyForSpecifiedBuildings.html
「特定建築物定期調査」が既に義務化されている現在の状況下においても、いくつかの要因で実施されることなく先送りされ、調査が進まずに「要是正」の指摘を受けているマンションは、少なくありません。先送りされている原因となっている主な理由の一例として
1)外壁の全面打診調査の費用を準備していない
2)地上から対応可能な固定式の赤外線カメラによる調査方法は、建物から十分に距離を取らなければならず、
隣地との間隔が狭いと採用できない
外壁の調査方法についてはいくつかの方法があります。
1)打診調査(ブランコ、 ゴンドラ等を使用して人間が全面的にテストハンマーで打診して判定)
2)引張調査(各階一か所ずつタイルを引っ張り、その付着力を数値化して判定)
(条件:有機系接着剤張りに限る。タイル直張りの施工記録あり)
3)赤外線調査
①三脚に設置した固定式赤外線カメラによる調査
②ドローンに設置した可視光・赤外線カメラによる調査
ドローンによる調査は、ドローン技術を建築の分野にも利用したもので、ドローンに小型の赤外線カメラにより調査を行います。なお、ドローンを使用した調査は、「2020年成長戦略実行計画」で閣議決定されておりましたが、2022年4月より法的にも、建築物の定期検査における外壁調査で認められることになりました。※
次世代の調査方法として、ドローンによる調査の普及が期待されています。
※出典:「定期報告制度における外壁のタイル等の調査について(国土交通省)」参照
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_tk_000161.html (当社外サイトへ遷移いたします。)
※資料提供元:SKY ESTATE株式会社
https://sky-estate.com/ (当社外サイトへ遷移いたします。)
ドローンによる調査は他の方法による調査よりもメリットが多くあると言えます。
1)高い安全性(調査作業員が墜落する等、事故の心配が少ない)
2)仮設(ゴンドラ、足場)費用の削減が可能
3)調査精度が安定(従来の打診調査は個人の経験則によるため精度の差が懸念される)
4)より広範な外壁の調査実施が出来る
なお、建物の外壁調査以外にも、太陽光パネルや屋根、風力発電の状況確認や点検等の作業、立入りに危険や困難を伴う場所での点検が可能です。
ただしドローンの活用に期待は高まりますが、空港や人口集中地域の上空等では使用条件の事前確認や、実際に飛行させるには飛行許可申請が必要となります。そのため、全ての建物で採用可能とは言えませんが、最新の調査方法として興味があるオーナー様は一度検討する価値のある技術と言えます。
なお、当社ではドローン調査に関するご提案も可能です。
また、当社ではマンション管理システムを導入し、業務の実施・履歴管理等を行い、これからもオーナー様・入居者様に「安心・安全」をお届けしてまいります。
以上
更新日:2022年4月28日