給水管の劣化について|ー給水管劣化のご紹介ー

当社では入居者様に安心・安全に暮らしていただくために、設備のリニューアル工事をオーナー様に提案しております。今回は給水管劣化と更生工事の概要を紹介させていただきます。

1.なぜ給水管リニューアルが必要なのか
1960年~1995年頃までに竣工したマンションの給水配管には亜鉛メッキ鋼管・硬質塩化ビニルライニング鋼管が多く使用されています。この配管の耐用年数は20~25年とされています。また、当社では傾向分析の結果、下図のとおりトラブル等の予防保全を含めたリニューアル工事を実施しています。
※ 耐用年数は「改修によるマンションの再生手法に関するマニュアル(国土交通省)」より引用
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001374063.pdf (当社外サイトに遷移いたします。)


http://www.izumitechnos.co.jp/  (当社外サイトに遷移いたします。)


●亜鉛メッキ鋼管とは
鋼管内面を亜鉛でメッキした管となります。主に1970年代に使用されており1980年代以降は使われておりません。鋼管内面にメッキされた亜鉛が溶出し、管内面の鉄部が露出することで酸化劣化が進行しサビが発生します。 
                 




●硬質塩化ビニルライニング鋼管とは
鋼管内面を硬質塩化ビニルでライニングした管となります。1980年~1995年頃に多く使用されていました。鋼管内面にライニングされた硬質塩化ビニルは耐久性、耐食性に優れているため、直管部ではほとんどサビが発生しません。ただし、ネジ接合部分はライニングされておらず鉄部が露出しているため、腐食処理が不十分であると腐食しサビが集中的に発生する場合があります。(下記写真参照)


亜鉛メッキ鋼管・硬質塩化ビニルライニング鋼管をリニューアルせずに長期間使用すると、以下のようなトラブルが発生する可能性があります。

➀ 漏水事故
錆が進行すると、給水管が劣化し漏水の発生率は上がります。漏水事故は、発生住戸だけでなく、階下住戸などにも被害が及ぶこともあり修繕に多額な費用を要するケースもあります。




② 赤水の発生
錆が水に溶け込むと赤水が発生します。赤水が発生すると洗濯物に着色する、お風呂に入れない等日常生活に大きな支障をきたします。




③ 錆こぶによる流量低下
給水管の中に発生した赤錆を放置しておくと錆瘤が形成され年数と共に肥大化します。これにより、管内が閉塞し流水量の減少(水の出が悪い、給湯器の着火不良)を引き起こします。



給水管リニューアル工法は大きく更新更生の2パターンがありますが当社では賃貸マンションの特性上、入居者様の負担を軽減させることを最優先で考え、コスト・工期の短さから更生工法をメインリニューアル方法として推進しております。
 

2.給水管更生工事概要
給水管内面に発生した錆こぶを研磨後、特殊塗料を使用し内面コーティングを行い、給水管を延命させる工事です。


また、予算に応じて共用部の給水管・専有部の給水管を分けて工事することも可能です。

当社では必ず入居者様説明会を開催し、工事の必要性を認識していただき、アンケート・事前調査を行うことで入居者様とのコミュニケーションを図り全戸実施できるように努めております。

三井の賃貸では、お預かりした建物を最適な状態に保つことで資産価値の維持や、入居者様へより良い生活環境を提供したいというオーナー様の気持ちにお応えできるよう日々サポートさせていただいております。
また、当社ではマンション管理システムを導入し、業務の実施・履歴管理等を行い、これからもオーナー様・入居者様に「安心・安全」をお届けしてまいります。
 

以上

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