「賃貸マンション」と「建築に関わる法令」 第3回 アスベストについて
賃貸マンションにおいても例外ではありません。竣工時期に応じて建物の「構造」や「設備」に違いがあります。
そのような違いのなかで「住まい選び」をされる方にも関心の高い項目についてご説明していきます。
第3回 アスベストについて
断熱性や耐火性、耐久性、吸音性などにすぐれた天然の鉱物繊維であるアスベスト(石綿)は、過去には多種多様な建築物に使われてきましたが、その危険性が知られるにつれて徐々に使用が規制され、2006年にはアスベスト含有製品が実質的に全面禁止されるに至りました。
それ以前に竣工した建物については使用されている可能性があります。
もし使用されていた場合には、それらの取扱いについての関連法令も多く、十分な注意が必要となります。
■建物の解体などをする場合
建物の解体などを行う場合には、建物にアスベストが使用されているかの調査をする必要があり、
工事の届出を工事の発注者が行なう必要があります。
アスベストが使用されている場合については、法令の定められた方法で工事を行う必要があります。
■使用中の建物に対する規制
アスベストを含む吹付材があり劣化が進んでいる場合には、アスベストの飛散の恐れがあるため、
除去・封じ込め・囲い込み等の対策が必要となります。
またアスベストを含む吹付材が使われている部位で改修工事等が行われる場合には、
工事業者にその旨を通知する必要があります。
■建物を売買、貸借する場合
契約時に、アスベストが使われているかどうか調査が行われていれば、その結果を報告する必要があります。
■建物に使われているアスベストに関係する法令
・建築基準法・・・建物の新築、増改築時の使用禁止、除去等
・労働安全衛生法(石綿障害予防規則)・・・アスベストの飛散に対する労働者の保護等
・大気汚染防止法・・・建物の改修、解体に伴うアスベストの飛散防止等
・宅地建物取引業法・・・アスベストの使用の調査
・住宅品質管理法・・・住宅性能表示においてアスベスト含有建材の有無の表示
・廃棄物処理法・・・廃棄物の適正処理、分別等
・地方自治体のアスベストに関する条例・・・自治体ごとに制定
以上
更新日:2020年1月29日