建築構造の基礎知識1

集合住宅の計画では間取りや設備面にばかり目が行きがちですが、構造もしっかり理解しておきたいところです。
住み心地や耐久性などにも大きく関係する、建物構造の種類についての基礎知識を解説します。

1.RC造(鉄筋コンクリート造)
「RC」は、「Reinforced Concrete」の略で、直訳すると「補強されたコンクリート」という意味になります。「圧縮力」に強いコンクリートと「引張力」に強い鉄筋、という2つの材料により強い構造体を作ります。鉄筋は、「火に弱い」「錆びやすい」という欠点もありますが、コンクリートで覆うことにより鉄筋の欠点を補っています。
RC造では、柱・梁・壁・床(屋根)が一体的に作られ、住宅に求められる防音性・防振性・耐火性などの性能を確保しやすいことから中高層の集合住宅に多く使われている構造です。

2.S造(鉄骨造)
「S」はSteel(鉄)の略で、鉄製・鋼製(鉄骨)の柱・梁などを組み立て構造体を作ります。用いる部材の厚さによって「重量鉄骨造(厚み6㎜以上)」と「軽量鉄骨造(厚み6㎜未満)」の2つに分類されます。S造で鉄骨が使われるのは主に柱・梁だけでその他の部位(壁・床・屋根)ではコンクリート製品他様々な材料の組み合わせで構成されます。
RC造と比べS造は全体の重量が軽い、部材が工場生産のため品質が管理しやすい、などのメリットがありオフィスビルや大空間の建物(体育館など)、超高層ビルなどで多く用いられています。鉄骨自体は火災などの熱に弱いため、耐火性を高めるための被覆などが必要です。

3.SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)
「SRC」は、「Steel Reinforced Concrete」の略となります。鉄骨で柱や梁等の骨組を組み、その周りに鉄筋を配筋して、コンクリートを打設した構造体です。RC造、S造それぞれの欠点を相殺して,耐火性もよく,自重も過大でない構造としてSRC造が開発されました。RC造に比べて耐震性等に優れており、柱や梁の断面も小さくすることができるため、主に高層建築物に用いられる事が多かった様ですが、近年、高強度コンクリートの開発により、その採用が減ってきています。

4.その他の構造
■W造(木造)
構造耐力上主要な部分に木材を用いる構造です。
古来より日本で行われてきた軸組工法(在来工法)や枠組壁式工法(ツーバイフォー(2×4)工法)などがあります。


 
■CB造(コンクリートブロック造・組積造)
コンクリートブロックを積み上げてつくられた建物の構造のことです。
コンクリートブロックの内部には空洞があり、そこに鉄筋を通した後、さらにモルタルなどを使って補強することで強度を確保します。

以上

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