建築構造の基礎知識3

集合住宅の計画では間取りや設備面にばかり目が行きがちですが、構造もしっかり理解しておきたいところです。 
住み心地や耐久性などにも大きく関係する、建物構造の種類についての基礎知識を解説します。
集合住宅の工法として多く用いられる「ラーメン構造」において、さらに集合住宅に配慮した特徴的な工法がありますので
これを紹介したいと思います。

1.アウトフレーム工法

アウトフレーム工法とは、住戸を支える主要構造である柱や梁を住戸壁の外側に出す工法のことです。
アウトフレーム工法のことを、アウトポール工法と呼ぶこともあります。
住戸の中に柱や梁が出っ張ることがないので、部屋の凹凸が少なくなり、家具などもすっきりと納めることができます。
特に、ワンルームなどのコンパクトな住戸では、柱型が室内に出るかでないかにより、有効に使える居室面積に影響を与える場合があります。

2.逆梁工法
逆梁工法とは、通常とは逆の位置に梁が付けられた工法のことです。
梁は天井から下に張り出した形が一般的ですが、逆梁工法では、梁を床から立ち上げる形にしています。
それにより、天井に梁が無く、室内がスッキリとし、窓の高さも天井の高さまで上げることが出来ます。  

3.逆梁アウトフレーム工法
アウトフレーム工法と逆梁工法を組み合わせた工法です。
柱をバルコニー側に出すことで、室内から柱や梁による出っ張りをなくし、部屋の四隅まで有効に使えるようになります。
梁はバルコニーの先端から立ち上げて手すりと兼用されます。
天井に梁が出ないため、室内がスッキリとし、窓の高さも天井の高さまで上げることが出来ます。
ただし、柱型、梁型によりバルコニーは狭くなります。

4.ボイドスラブ工法
ボイドスラブ工法とは、厚さ250mm~300mmのコンクリートスラブ(床)に鋼管(ボイド管)を通す工法のことです。
従来のコンクリートスラブ(厚さ150mm~180mm程度)に比べて、剛性や強度、遮音性に優れた工法だといわれています。
部屋の中に小梁が突き出したりしないため、すっきりとした居住空間をつくることができ、間取り変更などにも比較的容易に 
対応することができます。  

以上

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